シェークスピアの戯曲「ハムレット」のなかで、悲劇のヒロイン、オフィーリアの死の場面は、多くの画家たちの霊感を刺激した。
恋人ハムレットに父親を殺され、気がふれたオフィーリアは、花環を枝にかけようとして、花環もろとも川に落ちてしまう。
川面に漂う姿、花環を作る姿、川底に沈む場面など、様々なオフィーリアが描かれて、話題をよんだ。
*オフィーリアの絵画を集めました。絵をクリックしたら拡大します
*ジョン.エヴァレット.ミレイ(1829〜1896)

モデルになったのは、エリザベス.シダル(リジー)。ミレイが古着屋で見つけてきた衣装を着て、真冬だというのに、バスタブにはったお湯になかに横たわってポーズをとらされたリジーは、辛抱強く耐えたという。これがもとでリジーは、肺炎になりかけた。1852年、この作品は人々の絶賛を集め、ミレイの名声を不動のものにした。
*アーサー.ヒューズ(1832〜1915)
ロンドン生れ。画家としての修練はサマセットハウスの公立デザインスクールで始ったが、そこで、アルフレッド.スティーヴンスのもとで勉強した。1847年、ロイヤル.アカデミー美術学校へ入学。1849年アカデミーに初出品。翌年ラファエル前派運動に関心を持ち、ミレイの影響を受ける。
1857年。有名なオックスフォード.ユニオンの壁画装飾をロセッティらに加わって制作した。
挿し絵画家としての成功も、この頃からである。とりわけ、トマス.ヒューズ、ジョージ.マクドナルド、クリスティーナ.ロセッティらの文学作品とは切っても切れない関係にあるといえる。

ミレイと同じ年のアカデミー展の出品作品だが、同じ主題を選んだのは、偶然のことだった。
ミレイが情景描写を描いたのに対し、ヒューズの作品では、細密描写は人物に限定され、心理的な描写に中心をおいている。
*ジョン.ウィリアム.ウォーターハウス(1849〜1917)
父親はウィリアム.ウォーターハウスという群小画家で模写の仕事もしていた。
ローマに生れ、1854年に家族とともにイギリスに戻った。
1870年、ロイヤル.アカデミー美術学校に入学。1874年初めてアカデミーに出品。
急速に確かな技量を身につけた。アルマ.タデマの影響を思わせる古代史などを主題にした作品を手がける。
1885年、ロイヤル.アカデミーの准会員になり、その後は正会員に選ばれた。


ウォーターハウスは、オフィーリアの主題を好み、3点ほど制作した。
*リチャード.レッドグレイヴ(1804〜1888)
ミレイの作品同様に花々が細かく描かれている。
レッドグレイヴは、家庭教師やお針子など、女性の不幸な境遇を作品にした画家でもある。
*アレキサンドル.カヴァネル(1823〜1889)
*ポール.アルバート.スティック